ATRI -My Dear Moments-クリアしたので、感想書いていきます。最近(2021年現在)の作品で、ロープライスの全年齢向け作品です。ツイッターやいろいろな場所で絶大な評価を誇っています。僕もプレイして、ロープライスでここまでの完成度の作品を出せるのか…、と思いました。きまテンと並び、ロープライスゲームの最高峰であると思います。ただ僕の感動した部分が皆さんの感動した部分と同じかはわかりません。今回の完走した感想文ではそれについて書こうと思います。
【登場人物】
この物語、登場人物は立ち絵ありの人物は全員好き(あの男含めて)なのですが、特に好きだった登場人物を2人紹介します。
野島 竜司
竜司みたいなキャラ、好きなんですよねー。いや主人公の相棒ポジションはみんな好きですかね。でも竜司を好きな理由が主人公の相棒ポジションであることに加えもう一つあって、逞しいんですよね。世界がこんな姿になっても逞しく生きる人間の象徴だと思います。主人公とは全く別の人種であり、真逆の性格でありながらお互い惹かれていく。もう最高です。アトリよりも水菜萌よりも、竜司が好き。
名波 凜々花
凜々花も好きです。凜々花はこの世界の希望です。子供が無限の可能性を秘めていることの象徴として描かれます。登場人物の中でも屈指のハードな環境にありながら笑顔を絶やさず、子供らしい好奇心と素直に物事を学ぶ姿勢を持ちます。凜々花がいなかったら、この物語の印象まるで違ったと思うんですよね。基本的にはそこまで終末感を感じさせない作風なのですが、もっと悲壮感があったというか行き詰った雰囲気になっていたと思います。『絶対に主人公が地球を何とかしなきゃいけない、何のんびりやっているんだ!』という気持ちにならなかったのは、未来の希望を感じさせる凜々花がいたからですね、きっと。『まあ、主人公が何とかしなくても、次の世代の凜々花が何とかしてくれるか…主人公はアトリに集中しなよ』くらいの気持ちになれました。凜々花、好き!
【感想】
最初にも書きましたが、ロープライス作品とは思えない完成度の作品でした。アトリとの関係やヒロインの可愛さもポイント高いのですが、この作品で僕が特に感銘を受けたのは『この世界に生きる人々』です。特に、人物紹介にも書きましたが竜司と凜々花。学校の教室に灯りをともしたときに涙を流す竜司、ロケットの打ち上げを自分たちの未来と重ね見守る凜々花、この二つの場面は僕がATRIで特に好きなシーンです、泣きました。もう一つ、ラストのラストに少しだけ出てくる、ロボットの名前にも泣きました。いや、その名前はズルいよ、泣くよ、となります。僕だけじゃないですよね?
出来がよかったので続編を期待したい…ところなのですが、作品内で物語の最果てまで完結しちゃってるんですよね。続編はおそらくありません。綺麗に終わっているので、無理矢理続編を作って変に蛇足になるよりもマシかもしれませんが、もう少し世界に浸りたい気もします。海面上昇、終末、ロボットに心はあるか、など日本人の好きな要素てんこ盛りといった感じの本作でした。最後に点数をつけていきたいと思います。ロープライス作品であることを考慮しての点数となりますが。
キャラクター 7
シナリオ 7
音楽 6
立ち絵 8
一枚絵 9
総合評価 7
ここまで出来が良くて、感想でもべた褒めしてるのに何か点数低くない?と思った方、すみません。これ、文章の好き嫌いが出ちゃってます。紺野アスタ先生の文章、僕に合わないんですよね…。癖のない方だとは思うのですが、何だろう、説明難しいのですが、文章が合わないんです…。惜しい。
それでは。
コメント
ロビタの文をウンウン頷きながら読ませていただきました。
本当に素晴らしい完成度の高さですよね…ノベルゲーム初心者におすすめを聞かれたらATRIをおすすめしようと思います。
プレイ後の喪失感はものすごいのに、あまりにも綺麗に終わりすぎて続編を望めないのがつらいです。
凜々花の役割なるほどです、それは気づきませんでした。
アトリからのメッセージとして「延命よりも今を最大限に生きろ」「現状に満足せず未来を切り開け」というようなものがあると感じ、プレイ中はダブルスタンダードに感じましたが
今思うとクラスはクラスの夏生は夏生の「自分の技術を素養に合わせて活かせ、本来の使命を全うしろ」というAIらしい合理的で一貫性がある意見だったのかな~と思いました。
夏生は自分の人との関わり方が変化したからアカデミーに戻る事ができましたが、関わり方が変化していなかったらアトリは相当厳しいなぁと思っていました。
終わりを納得あるものにする為に、使命を全うし今を組み立て続ける。こういったひとつひとつの考え方がとてもAIらしくてアトリの実在感を感じさせてくれますよね。