ONE 〜輝く季節へ〜をクリアしたので感想を書いて行きます。このゲーム名を検索してここにたどり着いた方はおそらく全員がプレイ済みだと思いますのでネタバレ全開で書いていきたいと思います。もし未プレイの方がいましたらご注意ください。
ONE〜輝く季節へ〜は1998年にTacticsから発売されたゲームです。このゲームが発売された後主要メンバーが移籍しKeyを作り今に至っています。そのためONE〜輝く季節へ〜はKey作品として扱われることも多く、個性的なヒロインたち、奇行の多い主人公など、その後のKeyに与えた影響は図りしれず、またKeyのみならず、数々のクリエイターがONE〜輝く季節へ〜から影響を受けています。詳しくはwikiでどうぞ。
登場人物紹介&ルート感想
折原 浩平
このゲームの主人公。最近のゲームや漫画の主人公が裸足で逃げ出す奇行癖の持ち主。このゲームでは時代を感じると思うことが結構ありますが、浩平の破天荒なキャラクターが何よりも時代を感じました。
長森 瑞佳
瑞佳ルートは心が痛かったです…。瑞佳のエンディングを見るためには、ゲーム途中から瑞佳に辛く当たる選択肢を取らなければいけなく、後半は常軌を逸しています。教室で瑞佳を襲わせるシーンは頭おかしいとしか思えません。瑞佳は幼い頃泣いていた浩平と永遠の盟約を交わした女の子です。浩平はその盟約にとらわれ、劇中後半で永遠の世界に行きます。瑞佳は永遠の世界については、知っているような描写はありません。他のヒロインのルートでは普通に浩平を忘れます。劇中なんで瑞佳は浩平にここまでするかな、と思うほど甲斐甲斐しく尽くします。その瑞佳に忘れられるのは衝撃でした。(他ルートの話ですが)エンディングでは永遠の世界から戻ってきた浩平が瑞佳にあらためて告白をします。『だよ』と『もん』を多用する女の子なのですが、途中(これ浩平の台詞なの?瑞佳の台詞なの?)というところがありました。「何するんだよ」的なことを言うので、わからなかった…。話の流れから瑞佳の台詞なのですが。
七瀬 留美
七瀬ルートは、かなり好きでした。特にクリスマスの『理想のクリスマス』を意識する七瀬と、それに全く気付かない主人公の面白さともどかしさ、泣きながら店を出ても浩平が気になって離れたところで様子を伺っている七瀬の健気さが最高でした。最終的には七瀬の望むクリスマスにさせてあげたこと、ドレスを送った直後に永遠の世界に行ってしまう浩平、そのドレスを着て1年間待ち続ける七瀬。この季節の移り変わりの中待ち続ける七瀬の描写が本当に好きです。
里村 茜
茜ルートは、泣きましたねー。過去に幼馴染が永遠の世界に行き、記憶の問題などを経験しているため、ヒロインの中で唯一永遠の世界の存在を認識しています。最初ツンとしていた女の子がデレて来る展開はやっぱり好きです。自分、チョロいなーと思いました。笑
有名な『あなたのこと忘れます』のシーンがある茜ルートですが、僕はその後の永遠の世界に行く直前の『誰?』で泣きました。1枚絵が、いいんですよ。茜こっちを見て、泣きながら『誰?』って言うじゃないですか。全然忘れられてないじゃん!と思って、僕も泣いちゃいました。良シナリオでしたねー。
川名 みさき
みさき先輩ルートも泣きました。『違うよ…』のところですね。みさき先輩が失明したときに、生きるきっかけとなった言葉は心にきましたね。楽しみにしていたドラマの最終回が見られなかったけど、友人が言った『最終回つまらなかったね』『みさきの考えていた展開のほうが面白かった』という言葉、何気ない言葉のなかに救いがあると気付かされます。
上月 澪
正直澪は最初ヒロインの中で一番興味がわかなかったのですが、シナリオやっている最中からめっちゃ好きでした。1枚絵が、描写が可愛いんですよ!特に、腕を抱きしめてる1枚絵!この『年下の女の子が腕を抱きしめる』って本当に好きで、女の子からの好意を感じる最高に好きなシチュエーションです。また、澪は強いです。key作品のヒロインは何かと脆かったり弱かったりする場面がありますが、澪はありません(夜の学校を怖がったりしますが、そういうのではなく)。言葉を話せない障がいを持っていますが、人から逃げず、笑顔でいる。澪ルートやったらみんな澪好きになると思うんですよね。ヒロインの中では特に好きな一人です。
椎名 繭
繭ルート、繭は知能に障害があるんじゃないかとか、小学生なのか中学生なのかとか、いろいろと言われているルートですが、実は僕ONEのシナリオで一番好きです。人それぞれ成長の早い遅いはあると思います。繭は人より幼い女の子でしたが、最後には頑張りました。飼い主からはぐれた犬のために雨の中飼い主を探し、自分よりも小さい子供を気遣い、全て一人でやり切りました。そして、浩平が永遠の世界に行ってからの、辛くても頑張る繭の日記には心打たれました。
感想
ONE~輝く季節へ~、氷上シュンルートも含めて全て終わって、思ったことはやっぱり『Key』のメンツなんだなーということでした。物語に優しさと温かさがあります。瑞佳ルートの一部なんかは昔のエロゲ特有の雰囲気ありましたが、それ以外は本当にKeyですね。瑞佳ルートラストの横断歩道での瑞佳の『捕まえたっ』は当時泣きゲーという言葉がまだなかった時代、プレイした人全員が泣いたのではないかと思います。本当に泣きました。浩平には、もう瑞佳しかいないんですよ、その状況で忘れられているかもしれない、と瑞佳からも逃げ出した浩平を捕まえてくれた、瑞佳。ONEで一番好きなシーンでうす。永遠の世界については、あまり劇中で言及されることはありませんでした。説明不足な気もしますが、そこがONEを不朽の名作としている節もあると思います。
いつかやろう、いつかやろうと思っていて10年やらずにいた名作ですが、今回やり終えました。最後に点数を付けて行こうと思います。点数は当時の基準でつけます。
キャラクター 8
シナリオ 9
音楽 8
立ち絵 8
一枚絵 8
総合評価 8
ここまで触れませんでしたが、BGMなども高評価です。特に、茜のイメージが強い『雨』や『追想』『雪のように白く』は名曲ですね。
ONE~輝く季節へ~はエロゲ史に残る一作だと思います。このページを読んでくださる方で未プレイの方はいないと思いますが、いましたら、是非。
それでは。
コメント