長靴をはいたデコ【感想】

ゲーム

長靴をはいたデコという作品をご存知でしょうか。兄貴たちの多くはおそらく検索でこのページを表示させているのでご存知なのでしょう。Lost Scriptというブランドの『デジタライズドゲームブック』の第二弾として発売されたアダルトPCゲームです。『デジタライズドゲームブック』というものがどういうものかというと、画面を見ていただくのが1番早いかと。

これが『デジタライズドゲームブック』です…。そのまんまですね!!ですがこの文体はやはり味があり、僕は好きです。ダイスを振り、出た目によって右下の数字を動かし、次のシーンへと飛びます。

さて、デジタライズドゲームブックの説明が終わったところで…次はシナリオの話をします。ネタバレありで話をしますので、未プレイの方はご注意ください。

長靴をはいたデコのシナリオ

長靴をはいたデコのシナリオですが…。記憶喪失の主人公&疑似家族というエロゲの鉄板?を合わせたものが中心となり、それに某聖闘士をパロった『ホスト☆星夜』というテレビ番組が度々差し込まれます…はい、これ読んでる方は全員承知だと思うのでさっそくネタバレますが、デコ世界は『ホスト☆星夜』で敵の攻撃を食らった主人公星夜の精神世界の話です。最初はプレイヤーはデコ世界を現実世界だと思ってプレイしているのですが、雨が振らない、女の子が一瞬で空間を移動する、代喪木から外に出られない、自分以外の男が2人しかいない、登場人物が『どこかで聞いたことのある名前』等々、各ルートで徐々にデコ世界がどこか歪であることに気付きます。序盤中盤まではそれを『アダルトPCゲームだから』という理解で済ませているプレイヤーが恐らくほとんどです。僕もそうでした。そこに理由付けをしたのはあのラストならではであり、シナリオライターの策略に上手くやられたと思います。(いい意味で)

いやでも、作中ラストで耕介(主人公)がはむ(ヒロイン?)に何度もこの世界をループしいていることを明かされ、今回はその中でも最悪の結果だったと告げられ、それでも立ち上がりはむの手を取る耕介にはむは微笑み、再びループに返し…というシーン。あの場面の『あのとき、言えなかったこと、言わなくちゃいけなかったこと。それを俺は探し求めた。』でOP曲が流れて各ルート山場に台詞を追加していくシーンは本当に神シーンだったと思います。『ああ、あのときこう言ってれば…』なんて、運命を決めるような場面ではなく、日常的にあることだと思うんですよね。最高ですよね。多分全人類好き。

vanillaさんの描く最高の絵

このゲームを語るのに絶対に外せない要素『絵』です。僕はデコ世界の原画家さんvanillaさんが大っ好きなのです。可愛い女の子絵も良いのですが、男も良い!!絵だけでゲームの魅力を倍以上に引き上げていると思います。vanillaさん、好きだー!!

かっこいい、可愛い、かっこいい

陽だまりのつくり方

OP・EDもいいんですよね…実は繋がっていて一曲なのですが、この『陽だまりのつくり方』は神曲です。最高です。OPの演出も最高です。最初にテレビが写り、そのテレビ画面の中にLost Scriptのロゴが現れそのロゴが大きくなると同時にテレビが消え、画面の中に入ったような導入です。そしてヒロインたちの姿と一緒に流れる歌詞『一緒にいてくれるなら、本物じゃなくてもいいよ』…歌詞が最高なんですよね。そしてサビの『負けないと叫んだあの空、泣き虫のままだって見つけられるって信じてる』のとこの、ホスト☆星夜の番組開始時刻に注目なのです。7:00です。7時からの番組なんですよ…!!ここ最重要ポイントてす。そして断罪されるかのような耕介、曲のラストには長靴をはいたデコのロゴが現れ、テレビ画面内に収まって行きます。はい!ここで時間の確認!6:59ですねぇ!!OPの時点でデコ世界が終わったらホスト☆星夜世界に続くんだよと描写されてるんですよ!!これ初見で気付いた人、いますか?いましたら、すごいと思います。僕はクリアしてから気づきました。最高のOPなのです。

長靴をはいたデコ

まあラストがアレすぎて賛否両論ある作品だと思いますが、僕は好きです。何なら現実世界をパロ塗れのホスト☆星夜にしなくても良かったのではないかな…とも思いますが…。名作になりそこねた作品の1つだと思うんですよね…。もったいない。個人的にめっっちゃ好きな作品なので昨今のリメイクブームに乗っかってリメイクに期待したいのですが(いろいろな意味で)きっと無理でしょう。デコの魅力を語れる人って日本国総人口の0.0001%にも満たないと思うので、好きだという方いましたら是非是非発信していただきたいです。まとまりませんが、終わります。点数付けます?不粋ですね。僕はこの作品が好き、それでいいじゃないか…。あ、ディスクレス起動できないのは紛うことなくクソですの。

それでは。

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