ねこねこソフトの「すみれ」をクリアしたので、感想を書いていこうと思います。ネタバレありで感想書きますので、未プレイの方はご注意ください。
すみれ概要
ねこねこソフトの15周年記念で制作されたゲームになります。現実世界で上手くやれない主人公とヒロインが、仮想空間の中でだけの「親友」としてコミュニティを形成していたところ、ひょんなことから主人公の「健ちゃん」はその中の1人「モエ」を現実世界で見つけてしまう、しかし「モエ」は現実世界では仮想空間の活発で明るい「モエ」とは全く違い…というのが概要となります。
みずいろ
すみれは劇中劇で、ねこねこソフトの過去作を少しだけプレイできます。その中でも「みずいろ」は攻略することが劇中で推奨されます。それは「すみれ」の主人公の健ちゃんは「みずいろ」の主人公健二に憧れ、仮想世界のアバターにしていているからです。この「みずいろ」はヒロインの1人、日和ルートがクリアまで遊べるのですが…めっちゃ面白かったです。何といっても健二が格好いい。古き良きエロゲ―の主人公であり、古き良き格好つけ方なんですよ。僕らの求めたものがここにある、そんなシナリオでした。しかも最後は泣けます。最初から最後まで通しでできるので、途中本当に何のゲームやってるか忘れてました。
…そして、そう思わせることが、このゲームを日和ルートを全て詰め込んでもやらせたかったことなのだな、と思いました。すみれ主人公である健ちゃんの言動により…。
あと、すみれのサブタイトル~離れぬよう、流されえぬよう、ぎゅっと~というのはみずいろの主題歌(流されぬよう、ですが)なのですよね。そこからも、すみれの健ちゃんとみずいろの健二の対比を重視していたのだと思います。
主人公の健ちゃんについて
健ちゃんの独白は結構自分に刺さったり、すみれルートでは(何だこの野郎)と思ったり、結構いろいろと思いがありました。健ちゃんの一番好きだったところも一番嫌いだったところも、すみれルートでしたね…すみれへの「仲良くする振りをしよう」という言動で嫌いになり「いつかは健ちゃんのようになりたいと願っている」という言葉で好きになりました。僕としては「すみれ」は劇中劇「みずいろ」とすみれルートに全てが詰まっていると思っています。雛姫ルートもあかりルートも悪くはないですが、やはりすみれルートが本筋だろうと。プリクラを撮るシーン全部泣きそうになりました。
Sleeping Pretend
このゲームを語るうえで外せないのが、主題歌「Sleeping Pretend」です。真里歌さんの超絶歌唱力で歌われる名曲です。僕はゲームをプレイしたのはついこの前ですが、OP曲を聴いたのは5年ほど前です。その頃からシナリオとOP曲だけは知っていて、いつか絶対にやってみたいと思っていました。OP曲が名曲のゲームはそれだけで面白そうに感じます。アレンジされたものが劇中BGMにも使用されていて、曲の入りから神がかっています。
ここまで読んでくださった方で聞いたことが無い方はいないと思いますが…せっかくなので貼っておきます。
【感想】
すみれの感想としては、面白かったです。特にすみれルートは、すみれの成長、健ちゃんの成長、みずいろ日和ルート、と盛りだくさんで楽しめました。僕はすみれが初めてのねこねこソフトさんなのでわからないのですが、何と言うか…サービス精神旺盛なメーカーさんだなぁという印象を受けました。言い方が正しいかわからないのですが、RPGツクールで最初の村を作ったときの気合でゲーム全部を作っているかのような、そんな感じです。すごく好感が持てますし、好きです。ただ、シナリオというかゲームの内容については少し思う所もあって「明るくて人気者な本当の自分」を目指すのは良いと思いますし「健ちゃんのような自分」を目指すのも良いのですが、そのために今の自分を否定することもないのではないかと…。今の自分を否定した末が目指す場所では寂しすぎますし、そもそも人間なんて二面性三面性四面性ありますし、それがTPOに合わせた言動というものですし精神の均衡を保つ自衛手段であるとも思います。強い自分も弱い自分も受け入れて自分なのではないかと。すみれも健ちゃんも。まあゲーム的にそれはできなかったのかもしれませんが、どうしてもそれだけは言いたかったです。そんなん言われなくてもわかってるよと説教臭いこと言うなよと思われた方、すみません。
何にせよ僕もこれにてねこねこ童貞卒業です!すみれだけではなく、みずいろも1ルートクリアしてますし…これはゲームを2つクリアしたことにしても良いのでは!?そんなわけないですね。
それでは。
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