Bバージン【名作】【山田玲司】

漫画

このブログを見てくださってありがとうございます。普段はエロゲの紹介や感想などをしていますが、今回は漫画の紹介をしようと思います。僕のブログでは漫画の紹介をするのは初めてですので、温かい目で見てくださるとありがたいです。

今回僕が紹介するのは、1990年代の名作【Bバージン】です。同時期に連載されていた有名作品には『幽遊白書』や『カメレオン』や『疾風伝説 特攻の拓』、『スラムダンク』などがあります(どれも少年漫画ですが)。この時代にヤングサンデー(現在は廃刊)に連載されていた隠れた名作が、Bバージンです。僕は世代ではないのですが、兄がこの漫画を持っていて(兄も世代ではありませんが)知りました。兄に感謝です。

Bバージンってどんな話?

Bバージンを一言で紹介すると恋愛漫画です。主人公の住田秋は、基本的にヒロインのユイを最優先に行動します。ですが、秋の前にはいろいろな障害が立ちはだかり、それを乗り越えていく…という話です。ありきたりな話のように思えますが、Bバージンは最近の恋愛漫画とは最初から違います。主人公の秋は爽やかイケメン好青年で口が上手く、周囲の女の子からモテモテです。羨ましいですね!ですが子供の頃からモテていたわけではなく、高校2年生の途中までは生物部のカメオタクであり、あだ名は卑屈な蛙、縮めてヒクガエルでした。そのときに好きになったヒロインの桂木ユイのために、生まれ変わることを決意し、3人の姉の指導の元、血の滲むような努力で体型を変え、髪型を変え、女の子に好かれる仕草を覚え、話し方を改善し、自分の全てをモテるためのチャラ男に作り変えました。そして、物語が始まります。

この漫画は大きく分けて、大学恋愛編、PK編、水族館編に分けることができます。特にPK編辺りからのBバージンは本当に面白く、読む手を止めさせません。秋の相棒とも呼べる『ラモ』が登場し、キャラクターが増えて来る頃です。PK編以降がなぜ面白いか、それは『友情』『努力』『勝利』が揃っているからです。それだけ、ラモがこの漫画に与えた影響は大きかったと思います。ずっと一人きりで戦ってきた(歳の離れた協力者などはいましたが)秋が、初めて手に入れた『友達』と呼べる存在です。『勝利』か『敗北』しかなかった秋(本編前に死ぬほど努力してますが)に『友情』と『努力』を持ち込んだのがラモでした。

Bバージンの魅力の1つですが、主人公の住田秋は超努力家です。凄まじい努力を積み重ね、自分の好きな生物の道にも並々ならぬ情熱を注ぎます。純粋で努力家の秋に絆されてバーのマスター(ホモ)のヒデさん、ヒデさんの相棒のケーコさん、初期のライバルでヤンエグのサエキ、水族館の和田さんなどの大人たちが、またユイの友人のミホ、ラモの友人のケージ、サッカーのコーチをするカルロス、ユイをめぐって勝負をすることになるモトミ、水族館のミル、そして秋の相棒のラモなど同世代の友人たちが秋を支えてくれます。この秋を支えてくれる人が増えていく過程が読んでいて本当に気持ちいいです。

秋は何かあるたびに傷つき、うち倒れてます。強くありません。作中で何度か喧嘩をしますが、ほぼ全敗です。しかし何度倒れてもその度に自力で立ち上がり、自力で立てないときは仲間や周囲の大人支えられて立ち上がり、また前へと歩き出します。この漫画読んでると本当に思いますが、ほとんどみんな優しいんですよね。一生懸命生きてる秋を見捨てられない優しい人たちばかりです。登場人物の言葉も優しさに溢れていて、心に響きます。作者の根っこにある優しさが見えます。

『ほら… 俺って… 勝ち続けてきた人間だからさ…… 負けることはこの世の終わりみたいな気がして…… ………怖かったんだけど… あいつみたいなやつがいるのを見て、人生って…… やり直しがきくんだって… 負けることは… 終わりじゃないんだってね……』

これは秋のライバルのモトミがPK勝負の後に言う台詞なんですが、このセリフに作者の全てが詰まっていると思います。『人生はやり直しがきく』『負けることは終わりじゃない』このメッセージはこの作者の他の作品にも度々出てくる言葉で、一度の失敗で全てが終わってしまうような世間の雰囲気、社会の仕組みに対する全力の反論、魂の叫びです。

この漫画を語るとどうしてもPK編のことが多くなってしまうんですよね、それだけ大切なメッセージが詰まっています。この後の水族館編やこの前の大学恋愛編も面白いのですが、もし気になりましたら是非読んでみていただきたいです。この後に書かれた『アガペイズ』や『NG』も名作なのですが、いつか機会がありましたらそちらも紹介しようと思います。

最後に、僕がこの漫画で一番好きなシーンの画像を下に貼っておきます。既読の方、予想しながらスクロールしていただきたいです。この記事を読んで、読む気になった方がいらっしゃいましたら、読破後に見ていただけたら嬉しいです。

ではまた。

PK勝負5本中の4本目に奇跡的に秋がシュートを止めたが、審判にファウルにされて秋のサポーターが騒ぎ出したシーン。騒ぐサポーターをラモが一喝して止め、全てを秋に託す。

遠くで見守っているヒデさんとケーコさん。ほとんど親ですね。

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