ふゆから、くるる。【感想】

ゲーム

お久しぶりです。最近は仕事&私生活が多忙でゲームもできず、ブログも書けずという毎日でした。まあ、言い訳なんですけどね!ということで、久々のブログ更新になります。本日のゲームは【ふゆから、くるる。】になります。渡辺僚一四季シリーズ最終作にあたります。すごく面白かったのですが、短かい…!フルプライスでこれは、短いよ…!噂ですとテキスト量自体は缶詰少女と同じくらいあるらしいんですよね。行為シーンが多いから短く感じたのか、実際に短かかったのかはわかりません。

シナリオは渡辺僚一色が全開ですね!学園の正体、少女たちが永遠の老化と幼化を繰り返す理由、針に興味を持つということはどういうことなのか。オープニングで女の子が宇宙服来てるのはなぜ?宇宙に関係してそうなのはなぜ?そういったことが描かれます。以下ネタバレありになりますので、ゲームをプレイされていない方はご注意ください。感想は一番下にあります。まずは好きなシーン。

【祈りのチェス】

ふゆから、くるるをプレイした人は全員このシーン好きだと思うんですよね…。僕はダントツで、一番好きなシーンです。祈りのチェス。完全に解析され、手順を1つでも外れたら負けが確定するゲームになったチェスが『終わってしまったゲーム、死んだ世界』とされて、自分たちの代わりに死んだチェスを悼む行為が祈りに変化して『究極の手順』通りにコマを動かしながら祈りをささげる行為。

この二人がお互いの手順でコマを動かすたびに幸せや旅の無事を祈るシーンが、切なくて儚くて優しくて、最高でした。科学によって完全に解析されて死んだ世界と『祈り』という科学から遠く離れた行為を繋げるというのが、たまらないですね。そこに祈るのが『幸せ』という最もシンプルで普遍的なものである、ということもよかったです。

【お墓】

このシーンも、好きです。これは1枚絵とかではなくて背景です。夕陽たちの子孫は、いつ頃からか死んでいった仲間のためにお墓を立てるようになります。『子を残して死んでいった人々にちゃんと感謝する。』というモノローグの後にこの画像のモノローグが続きます。夕陽の子孫は数えきれないほど、生と死を繰り返してきました。この時点で数千人いた学園の生徒は500人にまで減っています。死者への感謝を述べる本当に印象的なシーンでした。ふゆから、くるる。最後の1時間くらいに重要なメッセージが詰め込まれまくっているんですよね。ここを見るために、このゲームがあったと言っても過言ではないような気がします。

【意識】

ここが1番重要なポイントだと思います。劇中で夕陽の時代では学園に男は存在せず、夕陽はしほんに男になる施術を施され肉体が男に変化しつつあります。群れが生きるためには、環境に順応するために生と死をくり返し多様性を得なければいけない。これはなつくるのタイドプール実験でも語られています。生物は必ず多様性を目指す、というものです。作中で生まれてくるものは『子供』ではなく『意識』と呼ばれています。そこで思ったのですが、意識って本当に不思議です。人は意識だ、じゃあその意識はどこから来る?という問いかけを渡辺僚一からされているようにも思えました。意識はいつどこから来るのでしょうか。赤ん坊の頃か、母親のお腹にいるときなのか、卵子に意識はあるのか、精子に意識はあるのか、受精した瞬間に意識が生まれるのか。ただのタンパク質が意識になる瞬間はいつなのでしょうか。劇場版AKIRAで語られたことを再履修している気分でした!

【感想】

ふゆから、くるる。は渡辺僚一四季シリーズ最終作として制作され、それを意識した作りだったと思います。カーネーションというシステム、こんにゃんという挨拶、キャラクターの数人には過去の四季シリーズのキャラクターのセルフオマージュのようなところがあり、缶詰少女の週末世界のキャラクターのオマージュのようなところもあり、渡辺僚一の集大成のような作品という印象を受けました。とにかくラストが壮大でした。春夏もかなり壮大でしたが(特に夏は)今回のふゆくるが一番『辿り着いた』という感慨深さがあったと思います。エンディング曲も、最初聞いたときはなんじゃこりゃ、という感じがしたのですが何度か聞くと味が出てきて、四季シリーズ最終作にはぴったりだなぁと思えるようになります。最初にも書きましたが、少し短いかなーとは思ったのですが、おそらくそれ行為シーンが多いからです。結構なボリュームで行為シーンがあります。そして渡辺僚一ファンは行為シーンよりもシナリオの面白さでゲームを買っていますので、行為シーンを飛ばし、その結果短く感じる、というような感じだと思うんですよね。僕も行為シーンは飛ばし気味なので短いなと感じたのですが、それが真相だと思います。

ゲーム全体の総合評価(10段階)としては

キャラクター  7

シナリオ    8

音楽      6

立ち絵     7

一枚絵     7

総合評価    7

です。

ラストシーンの感慨深さや祈りのチェスのシーンなど、本当にいいシーンも多かったので、行為シーン少な目にしてメインのシナリオボリュームを増やしてもらえれば、評価が全然違ったと思うのですが、もったいなかったです…。渡辺僚一のシナリオは唯一無二だと思っているので、次の作品も楽しみにしています。

それでは。

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