全世界100億人のエロゲファン兄貴たち、おはようございます。さて、兄貴たちは智代アフターというゲームを知っているでしょうか。こんなマイナーHPを見ている方なら知らないほうがおかしい、と思われるかもしれませんね。ご存じkeyが世界最高のゲームCLANNADの後に出したもう一つの傑作です。
僕が智代アフターを手にしたのは、当時通っていた学校の帰り道でした。家から学校まで長かったのですが、その途中駅にエロゲを売っているゲーム屋さんがあり、そこで購入しました。鍵っ子であった僕は『絵がいたるじゃないのかー、うーん、でも智代の話だし、一応やっておくか』程度のつもりで買ったのですが、智代アフターの破壊力は凄まじかったです。なんせ、最後朋也死にます。それまでのストーリーも、智代の強さ、弱さ、それぞれが生きることに悩みを抱える若者たちの話が感動的です。これリアルタイムで朋也と同年代でやった人にしかわからない部分あると思うのですが、終わった後の鬱(今でいう~ロス?)が半端ではなかったです。高校生の頃にAIRをプレイして感じた際の鬱よりも遥かに強い喪失感でした。『エンディング終わった後タイトル画面でhopeが流れてるところで放心していました』なんてレビューを見かけたことがありましたが、本当にそうでした。そして、その後が地獄でした。
どうしようもない喪失感。鬱。一つのゲームでここまで感情を動かされたことはありませんでした。CLANNADもエンディングが終わった後の喪失感はありましたが、それでも『この作品に出合えてよかった』という思いのほうが強かったです。しかし、智代アフターは違いました。あまりにも、喪失感が強すぎたのです。数か月続きました。この喪失感は何なのか、それはひとえに朋也への感情移入が強すぎた、そして智代アフターの世界が好きすぎたことだと思います。人によると思いますが、僕はゲームをするときには主人公に感情移入します。感情移入というか、もはや主人公です。あの時朋也は僕でした。そして学生であった自分にとって、就職した朋也は少し先の存在、少し未来の自分です。未だモラトリアムの中にいる自分と、自立している朋也。朋也のようになりたかったです。可愛い彼女がいて、良好な人間関係があって、家では資格の勉強をして、順風満帆です。そんな人生を送ってみたい、と朋也に自分を重ね合わせていました。その朋也に起こったことは、事故からの後遺症、そして死です。すみません、これ書いている今でも結構辛いです。もうあの頃の朋也よりも一回り以上年上なんですけど…。ともかく、理想の世界がそこにはありました。しかし、朋也の死によって、その世界は終わります。どう頑張っても、その世界に続きがあったとしても、そこには朋也(僕)はいません。それが、喪失感の正体だと思います。
智代アフター、間違いなく名作、いや傑作だと思います。もう古い作品にはなってしまいましたが、できるならばあの頃の僕と同じ世代の若者にプレイしてみてほしいです。19、20の自分に戻ったら、たとえあの喪失感が再び来るとしてもこのゲームはやります。大好きです。この作品に点数を付けるのは野暮だと思いますが、全てのゲームに点数を付けているので、一応点数を付けます。
ゲーム全体の総合評価(10段階)としては
キャラクター 9
シナリオ 10
音楽 10
立ち絵 7
一枚絵 8
総合評価 9
という感じになります。
10段階評価なのでシナリオと音楽が10になっていますが、本来は測定不可能です。無理やり10にしただけです。keyの全盛期、麻枝准先生の本気が見られます。なんだか途中からふざけることができなくなってしまい真面目な話ばかりになってしまいました。すみません。もっと茶化しながら書くつもりだったのですが、無理でした。僕にとってそこまで大切な作品だということですね。
ではまた。
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