後藤一家の事案、クリアしたので感想書いていきます！元探偵のゲーム制作者という異色の経歴を持つ『ゆしま』さん制作のノベルゲームになります。作品内容についてDLsiteの作品紹介を転記させていただきます。
作品リンク→https://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ248458.html
作品紹介
平成30年夏、ある森で15体の変死体と6つの人骨の入った骨壷が発見された。このうち1体だけは棺桶のようなものに入れられていたという。
事件は大々的に報道される。
事故?殺人?集団自殺?それとも・・・・・・怨念・・・
この事件の報道はなんらかの規制がかかったのかすぐに報道されなくなっていく。
やがて、事件の半年前に自殺した高校生、その後川で行方不明になった母親、刺殺された父親、不幸な一家の黒い影の噂がささやかれる様になる。
平凡な後藤一家を襲う恐怖の出来事。シングルマザー探偵、後藤悦子はこの謎を解き明かすことは出来るのか?
以上が作品紹介となります。最初の方は結構怖い描写もあり、ちょい怖い！と思いながら進めていました。この作品の面白いところ、良いところは大きく３つほどあります。
①無関係と思える事件が繋がっていくシナリオ
②登場人物の掛け合い、話のスピード感
③探偵の知識
最初に①についてですがこれ結構驚いたというか、序盤は全くこの作品紹介に繋がりそうな雰囲気がないんですよ。『プレイ時間６時間程度って書いてあるのに、この事件にこんなに尺取っていいのかな』なんて思っていたら、あるとき繋がります。それが読んでいて面白かったです。しっかり考えられて作られているなと思いました。次に②ですが、会話のテンポが良く、無駄な会話をダラダラと長く続けることがありません。話にスピード感があり、次の展開、すぐ次の展開、と流れるように続いていくので読みやすくストレスが無いです。終盤の展開も驚きで、『え？まだあっちの事件終わってないよね？？悦子大丈夫なん？？』となります。主人公の悦子は終始有能なので、それも読んでいて気持ちよかったです。ただ、悦子は有能ではありますが最強ではありません。強い男と丸腰で戦ったら、恐らく勝てません。そういったところも緊張感が保たれていてよかったです。
そして③です。探偵の知識や戸籍の知識に関する授業が度々差し込まれ、これを全て読まなければバッドエンドになります。ただこれなんですが、序盤は探偵の豆知識などで楽しく読めるのですが、終盤の戸籍の知識に入って来ると話が難しく、最後の２つくらいは完全にお手上げでした。これはしっかり読み込まなくてもシナリオは理解できますし面白いので、大丈夫です。ただゆしまさんがかなり熱を入れて執筆されていますので、読まなければ失礼だ！と思う方は、読み込んでみてください。すみません、僕は諦めました！！
ホラー部分については少し作品内容のネタバレになってしまうのですが、作品紹介に書かれている自殺した高校生の母親が、自殺した高校生を探している、という描かれ方をされます。怖いのですが、それよりも可哀想になってきちゃいます。どんな化け物のように描かれようとも、息子思いの優しい母親が自殺した息子を探していると思うと可哀想で仕方ありません。息子思いの優しい母親って自分の母と重ねてしまうので、駄目なんですよ。絶対に不幸になってほしくない。ただこの話も最後の最後で回収されますので、ご安心を。
BGMがフリー素材であったり背景が実写取り込みなのは仕方ないのかなと思います、システム面も微妙ですが仕方ないですね。５０％OFFのセールをしていたので５５０円で購入したのですが、シナリオが凝っていて面白かったので、間違いなく５５０円以上の価値がある内容です。DLsiteで購入すると、後藤一家の事案の他に、後藤一家の日常、後藤一家の卒業、後藤一家の孤島殺人事件が同梱されています。僕はまだそちらはプレイしていないので、先日購入したゲームの合間にやっていこうと思います。
以上が、後藤一家の事案の感想になります。作者のゆしまさんは現在ガイア・メモリアルというゲームを制作中です。進捗を見ると順調に進んでいるようなので、年内には発売されるのかな？といったところだと思います。後藤一家の事案は作者の元探偵という経歴を生かしたリアリティと豆知識、主人公である悦子の有能っぷりが魅力でした。現在制作中のガイア・メモリアルは原画家が変わり雰囲気がガラリと変わっているので、あの作風のまま行くのか、絵柄に合わせて柔らかく優しくなっていくのか、どういう文章になるかわかりません。期待して待ちましょう。
購入した金額が金額なので、点数をつけて評価ということがし辛いです。今回は点数をつけずに、次回作のガイア・メモリアルで点数をつけようと思います。
それでは。
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